2006.09.05

ライツ化するコンテンツ

コンテンツをデジタル化するのは良いとして、そろそろ言われるだろうところがバックアップ周り。

PCってクラッシュするものだし。

リンク: デジタル雑誌、日本で普及するか(するんではないかい?): mediologic.com/weblog.

僕もUSの雑誌を買う際にお世話になっている Zinio が、定期購読誌のオンラインサービス販売を行う富士山マガジンサービスと提携。これによって、日本の雑誌の中でもデジタル化へ移行するところもでてくるでしょう(紙ではもう出さない!ってとこも出てくるかも)

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2006.08.05

Lucasfilmのファンコミュニティへの姿勢

これは凄く大事な何かを示している。

昨日もライツとコンテンツ流通の体系がどういう方向性であれば企業とユーザーにとって望ましいのだろうかという議論を真面目にしていた。技術基盤も世のありようも少しずつ変わってきているところで、なんか新しいバランスが欲しいところ。政府もライツの問題を扱って動いてるけど、放送コンテンツを通信に流す、というところで止まってなかったらいいな、というところで。

著作権の問題は、著作者の姿勢であっさり解決する面もあるということは一つ触れておきたい。

リンク: ITmedia News:「ファンムービーは削除するな」――LucasfilmがYouTubeに要請.

YouTubeに掲載されていたスター・ウォーズ関連のファンムービーやパロディー動画が削除された問題で、米Lucasfilmの公式ブログが「不当に削除されたコンテンツをすべて戻すよう」要請したことを明らかにした。

 

このブログのコメント欄では、実際に自分のファンムービーがYouTubeから削除されたという投稿者が「Lucasfilmのファンに対する姿勢には再度感銘した」と再掲載されたことに感謝の意を表明している。

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2006.08.04

経産省のコンテンツポータル

サービス設計を見ないとなんとも言えないところはありますが、割となるほどな試みです。

最終評価は出てきて触ってみてからですかね。でも、気持ちも位置づけも良く分かるサイト。

リンク: ITmedia News:映画・アニメなどの情報を一括検索できるポータル開設へ.

映画や音楽、アニメなどの内容や著作権などの情報を一括検索できるポータルサイトの開設に向け、「コンテンツ・ポータルサイト(仮称)運営協議会」がこのほど発足した。日本経団連や日本レコード協会らが参加し、来年4月にスタートする計画だ。

 ジャンルごとにコンテンツを分類し、作品名や制作者名などから検索できる。内容のほかに著作権者の情報も掲載し、2次利用を促進するのも狙いだ。


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2006.03.29

GoogleのWi-Fi広告特許?

ぱっと見てナビゲーション設計にも使えるが、まずは広告向け用途が浮かぶ(ような文章にもなっているのだが)。詳細は内容見ないと分からないがいずれにしても着々と押さえているだろうことはまずはっきりと。

リンク: グーグル社員がワイヤレス関連の特許を申請--内容が明らかに - CNET Japan.

申請番号20060058019の特許は、無線アクセスポイントへの接続時にブラウザ画面の外観をクライアント端末上でダイナミックに変更するためのシステムの開発に関するもので、この特許を利用すれば、ブラウザの外観を変更し、無線アクセスポイントのプロバイダーに関連するブランドを反映させることが可能になる。

Continue reading "GoogleのWi-Fi広告特許?"

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2004.12.05

アップルの好調はどこまで?

BW。アナリストサイドの視点。新規参入から何から出ていているところから、どこまで好調を維持出来るのかとの記事。この辺の話はDRMとデバイスの力をどの程度見積もるかで基本変わってくる。両方無いといけないというのが結論になるとアップルは有利だが、オープン化を求めがちな製品市場がどう最終判断を下すかに依存する。

また単体としてのリスクはこれか。プレミアを維持出来なくなるとあまり意味がない。

Beyond those factors, a deeper concern exists: Can the iPod stay fashionable? Part of the device's appeal (and perhaps what motivated the first iPod nod) has been its ability to make its owner feel like part of the "in" crowd. But what happens as the iPod becomes more and more mainstream? As penetration of MP3 players grows, will it be considered cool to instead bop to a Photo Jukebox or a Network Walkman?

iPod: How Long Will It Reign?

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2004.11.30

オンラインダウンロードチャート

先のエントリと同じ流れ。イギリスで音楽のチャート情報として、ダウンロードが加わるという。
来るか来ないかではなく、「いつどこで」という類の話となる。面白いのはシングルの販売シェア。

今年の第3四半期、シングルの売上数が730万枚だったのに対し、ダウンロード楽曲は175万曲に達した。BPIが26日に明らかにした。
ざっくり2割ほどはオンライン経由で売られている。こうなると、プレイリストの共有はアルバムの楽曲順と同じような価値を生み始めるだろう。課金出来るかは分からないが。

ITmediaニュース:英国シングルチャートにオンラインダウンロードが加わる

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デジタルミュージックの流通支配?


今日繰り広げられるオンライン顧客争奪戦の勝者は、大きな役割を担うことになる。ダウンロード音楽界のAmazon.comが現れれば、オンライン業界にも「ペイ・フォー・プレイスメント(掲載コンテンツ毎の課金)」のビジネスモデルが根付くだろう。

流通へのパワーシフトと考えると、コンテンツを握っているから強いということはいつまでも言えない可能性がある。一般小売市場では総生産力の高まりと並行して、消費者側に主導権が移ってきている。一部は廃れつつもコンテンツが蓄積されていき、供給が増していくとなると、シフトが起きるのは自然な動きとなる。


アップルはダウンロード音楽界のAmazon.comになれるか - CNET Japan

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2004.05.19

Winnyは結局何をもたらしたのか。

切込隊長がいつにもまして長文化したエントリを綴っている。Winnyについて。事件発生後、思想と政治のレイヤーでの議論に数日で移行してしまい、そもそも何だったのかという基本的な議論があまり為されていないので、ひとつ突っ込んだ議論として眺めてみたい。

念のため、P2PやWinnyを無条件に擁護する立場は取っていない、今のままだと著作権的に突っ込まれるのは避けられない動きだろうと見ている。

まず、コンテンツ流通でWinnyが起こしていたこととして二点。

高速ADSLやFTTHの主要な利用要件は、驚くこと無かれP2Pによるファイル交換である。当たり前か(笑)。どこかの私のエントリーでコメントした人がいたとおり、Winny&MXは事実上のブロードバンド時代におけるキラーアプリとして君臨しているのだ。
P2P技術の普及、浸透により、無用なトラフィックが増え、バックボーンはわずか7%のWinnyユーザーによって83%もの帯域が利用されている。
ISPが悲鳴を上げるくらいコンテンツ流通を促している。また
学術経験者ならば、アーカイブが揃う前の時代は論文探しで苦労した人も多いだろう。筑摩書房やミネルヴァ書房などで刊行された一冊何万もする目当ての学術書が図書館になかったり、一昔前ならフォーリン・アフェアーズのバックナンバーを紀伊国屋に問い合わせるだけで二週間も待つことになる。それもこれも、需要が少なすぎて財やサービスが行き届かない端的な例だ。
実のところ、商業主義(コマーシャリズム)はこの手の細分化された価値体系に対する解を持たない。いわゆる資本主義の誤謬と言われるものだ。大多数の人が金を払わず、関心を持たない、時宜を逸した、役に立たないものは商売として成り立たない。商業主義は需要と供給で価格が決まると言いながら、極端に需要が少ないビジネスは本質的に不利な構造が確立していると言える。
ということで、P2Pのファイルシェアリングは個人がアクセス出来るコンテンツの量を飛躍的に伸ばすことに成功している(合法違法という議論はとりあえず触れない)。

というところで見えてくる可能性は、

ところが、その再販制度が目指していた理想が、Winnyであっさり実現しちゃっている現状を誰も指摘しないのが不思議だ。しかもタダで。この不便でしょうがないインターネット社会で、金を払えばすぐにでも何でも見られそうな雰囲気を醸し出す数多のブロバンコンテンツサイトでは一切提供されなかったものが、Winnyによって、無料で、きちんとした体裁で、ほぼ欠落無く閲覧可能な状態で流通している現実をコンテンツ業者はあまり正視しない。
コンテンツ流通の新versionである。コンテンツ業界とどこでどう折り合いをつければ良いのかは現時点でははっきりとは出ていないが、
 ・商業作品:既存の流通ルート
 ・それ以外:P2Pのシェアリング
という棲み分けが何らか模索されてもいいのではないか。

ストレージ価格が下がってるとは言え、過去のアーカイブがメジャーレーベルからダウンロードして視聴可能になるとは早々考えられない(iTuneの伸びを見ているとある程度は期待する気にはなるが、隊長の論の射程に届くとは思えない)。大量のサーバーを揃え、ネットワークを補強しというのはシステム的にも採用される選択とは思えない。DRM技術の成熟を待つ必要はあるだろうが(また、コモンズの概念の普及を待つ必要もあるかもしれないが)、P2Pの仕組みで負荷分散させたコンテンツ流通の仕組みの方が現実味を感じられる。食品のオマケで過去の名曲が手に入るのであれば、ごくごく軽い対価で成立する余地はあるのではないか。ISPは再び悲鳴を上げるのかもしれないが。

復活したナップスターは昔のユーザーからすると大人しくなって面白くないというコメントを何度も見た。しかし、「こうして世の中は少しづつ、つまんなくなっていく」のかもしれないが、アンダーでない領域で堂々とやり取り出来る方が健康的であることもまた否めない。eBayやAmazon、そしてGREEが示しているように、コミュニケーションとコンテンツが揃うとユーザーとしては面白い。話題のドラマや音楽をトリガーにして学校の休み時間を過ごした経験は誰にでもあることだろう。何が面白いか語り合い、お勧めを交換しあってわいわい過ごすというのが、情報化社会の呼び名に相応しい形で進化して日々の生活に心地よく紛れ込んでくれてもいいのではないかと、ふと思った次第である。

規格や再販制度、著作権制度について触れだすとキリが無いので本エントリでは割愛。

追記:
そういえば、こちらを普通のエントリで更新するのは実に久しぶり。

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2004.03.27

オープンソース・ブックス(1):レッシグとダン・ギルモアの新著

Blogをベースにした出版の事例が目に付くようになってきた。まだまだ大御所の事例しかないが、B-log Cabin TPで紹介されていたDan Gillmorの『Making the News』や「コード」や「コモンズ」でも知られる米国憲法学者のローレンス・レッシグの新作『Free Culture』はBlogでのコミュニケーションを軸にして展開しているところがある。もちろん、講演を通してコミュニケーションにより内容に磨きをかけるなどは過去もあったろうし、草稿段階から多くの人の意見を仰ぐのはこれまでの出版業界でも珍しいことではない。しかし、クリエイティブ・コモンズライセンスの元で全文公開しているレッシグを見ていると情報の発信とフィードバックが軽くなったことにより、一箇所での沈思黙考からオープンな対話により知識が生み出されていく形に変わっていく兆しを見出したくなる。

このような新しい出版スタイルのメカニズムとはどのようなものなのか。何か今までと決定的に違うのか。Dan Gillmorの知己でもあるJon Udellが自身のBlogのBlog/print synergy: my strategiesというエントリでサマライズしている。

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2004.03.02

メディアとオープンソース

先日、CNETの御手洗社長の話を伺っている背後にミラクルリナックスのCTO兼OSDLジャパンの吉岡氏がいらっしゃった。しかも話のテーマは情報のオープン化である。こういう繋がり方を松岡編集学校では大事にする。

言わずと知れたことになるが、メディアとソフトの世界ではオープン化が進んでいる。Linuxが典型事例になるが、コンテンツ=ソースは公開されて直接の課金対象から外れ、公共財のように取り扱われ始めている。収益のポイントは周辺のサービス、例えばサポートであったり、複数バージョンや関連アプリと合わせての動作保証パッケージに移行している。IBMのサービスビジネスも核の部分では、パッケージと動作保証に依拠しているところがある。

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2004.02.29

メディア産業の未来

CNETの御手洗社長のお話を伺う機会があったので、メディアコンテンツ産業の現状動向についてやり取りさせていただいた。

本業にメディア、インターネット関連の事業が含まれているので広くインターネットを含めたメディア産業がどちらに向かおうとしているのかは相変わらず気になる。問題ない範囲でmemo程度に。

◆コンテンツのオープン化はどのような影響を与えているか
 以前、知人との議論をひとつエントリとしてまとめたことがあった。ValuePointがコンテンツそのものから外れつつあるのでは、という仮説を持っていたがこの点については概ね意見の一致を見た。コンテンツそのものに課金することがやりづらくなっており、クローズなモデルについては縮小均衡に向かってしまうのではないか、「インターネットというオープンなインフラが出来た以上、それを前提にビジネスを組み立てるべき」とのこと。まるで、Linuxの話題のようである。一次情報以外では付加価値のポイントは残っており、ニュース記事ではない加工情報についてはやりようがあるのではという話については、やはり残っているらしい。生魚は売れなくても缶詰にすれば流通するというところだろうか。やはりオープンソースの議論をしているようである。
追加記事をまとめています。

◆CNETのトラックバック対応について
 コンテンツはよりオープンにして流通量を高める方向性を意図してトラックバック対応となったらしい。基本は広告モデルであることに変わりはないため、トラフィックが多いことが重要となる。良質のBlogからの流れを捉えてサイトに誘導し易いようにという素直な意図から、という予想した通りのコメントを頂いたが、結構難しい決断だったのではないだろうか。

◆メディア産業とBlogの関係について
 Blogは新聞を肩代わりするか、という去年くらいからメディアで騒がれているテーマがある。基本は役割分担になるのだろうとの考えを持っていたのでぶつけてみると、棲み分けが行われているのが実感覚に近いと。Blogは一次情報の提供元にはなりにくいこと、また情報の信頼性の担保が十分に行われるわけでないため、メディアにアドバンテージが生まれて簡単には代替出来ない。とはいえ、昨今一次情報の供給までBlogが担い始めているところがあり、棲み分けについては保証されたものではないこと、加えて一次情報そのものには課金しづらくなっていることから情報元としての地位が安泰でもビジネスとしては安泰かは怪しいだろうとの見方をされていた。Blogの切り口を除くと新聞社、雑誌社は似たようなことを考えている様子である。
※逆に、雑誌の世界は根本的にマーケティングが出来ていないので、市場の隙間は山ほどある、とおっしゃっている雑誌社の方もいらした。

先日の「情報経済は崩壊するのか?」 のような議論もしてみたかったが、時間切れ。Yahooと楽天をどう捉えるかという話もしてみたかったが同じく浅い議論のままで時間切れ。また機会があれば、この辺りのテーマで意見を伺ってみたいものである。


このところ、日米Yahooのストラテジーについてもあれこれ考えをまとめたりしているが、どうも勝ちパターンとまでは行かないが、メディア産業の今後の方向性は幾つか見えてきている感じを受ける。

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2004.02.10

DisneyとMicrosoftがコンテンツ管理で手を組む

DisneyとMicrosoftがデジタルコンテンツ管理、コンテンツ配信の分野での協力を表明した(らしい、というのが記事中の表現としては正しい)。

ハイテク産業の次の成長はテクノロジーの供給サイドではなく、需要サイドに求められるという議論は時々見られる。つまり、ベースとなる技術に乗せるコンテンツが重要になるという話となる。

※経済学の枠組みで捉えると、コンテンツも供給サイドになるのではないだろうか?という疑問はあるが細かい議論なので割愛。

提携の中身としては

新たな提携の下、DisneyはMicrosoftのWindows Media DRMソフトを利用する非独占的なライセンスを取得する。
両社は、セキュアなコンテンツの開発と配信においても協力し、家中にある各種のデバイスから、セキュアなデジタルエンターテインメントファイルにアクセスできるようにするための技術の開発を支援すると話している。フェスター氏によると、DisneyはMicrosoftの高画質メディアフォーマットも採用するかもしれないという。このフォーマットでは、通常のDVDよりもかなり高画質なビデオコンテンツを作成できる。
マイクロソフトのアーキテクチャー上にディズニーが乗っかるという今のところシンプルな形となっている(もっとも、Media Centerもまだまだ固まっていないため、これ以上は出ようがない)。コンテンツ管理を厳格に行いたいディズニーと有力コンテンツを引き込むことでアプリとしてのMedia Centerにコンテンツを補完財として付加したい、引いては他のコンテンツ管理技術体系よりも全体の利便性を高めることでデファクトのポジションを獲得したいマイクロソフトの利害が美しく合致した構図となっている。MSにとってディズニーのコンテンツは喉から手が出るくらい欲しいものの一つだろう。

ディズニーの企業文化をコンピューター産業の言葉で表現すると、ガチガチのクローズアーキテクチャーの会社となる。そういった意味ではマイクロソフトとの相性は非常に良い。細々とした条件交渉はあるだろうが根本思想は似ていることからすんなり話は進むだろうし、頓挫の可能性はあまりないと読んでいる。シリコンバレーとハリウッドどちらから見ても二社は完全本流ではないポジションに位置しているが、やや傍流的なところから物事が決まっていくのかもしれない。

※しばらくIPについて書いていたので、どうも同系統の記事に意識が引っかかり易くなっています。

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2004.02.09

競争力資源としてのIPコントロール②

先日のエントリの続きを。

長い前振りを踏まえての、「結局どこが競争力のポイントとなるのか」については後ほど。
と書いて終わってしまっていたところでした。

細かい話をし始めるときりがなくなりそうなため、IBMとマイクロソフトを典型ケースとしてコンパクトに。

まず、IBMですが、ガースナーのターンアラウンドストーリーにもある通り競争のポイントをサービスとサービスを支えるコアになるソフト(資料中ではミドルウェアがそうなるという指摘がされています)の二点だとして全体戦略を組み立てています。Linuxへのいち早い対応もサービス層での競争力を重視していること、逆にソフトの層からの過大な影響を弱める方法だと捉えるとすっきりとしてきます。

「広く採用された標準に関して言えば、いったん表に出た後は、どのベンダーがその標準に対応した最高のアプリケーションやツールを作れるかという勝負になる」
この指摘ももちろん要因としてゼロではないですが、純粋にアプリケーション層での競争力と収益性を追求しているわけではないです。IBMにとって、コア技術や要素技術を押さえることは今も昔も大事ですが、押さえたIPを直接ソフトウェア製品(もしくはハード)にすることで収益を上げるというモデルにはそうこだわっていません。

MSはどこまで行ってもソフト会社なので、IBMとは立ち位置が必然異なります。まず、Linuxに代表されるソフトのオープン化は彼らの収益源を直接破壊します。よって、単なるオープン化(ここはソフトウェアのオープン化、オープンソースの意味合いです)には向かいません。Windowsシリーズはインターフェース仕様がオープンなクローズアーキテクチャーと位置づけられますが、クローズ部分を守りつつオープン化の進む世の中に如何に上手く適応出来るかが彼らの課題になっています。Web、XMLとも技術的には対応を進めていますがOfficeとの連動性を高めたりすることで上手く既存の資産=収益源と結びつくように製品改良を進めています。むしろ、XMLが標準データ形式として安定したときに、アプリケーションの側を変わらず押さえておくことが出来ればアプリの利便性はこれまで以上に高まります。

二社を比較するとMSの方がIPの使い方が捻れていて観察する分には面白いです。

本当はここにAmazonやGoogleの話を絡めると面白いのですが、また機会がありましたら。

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2004.02.06

競争力資源としてのIPコントロール①

ITmediaにマイクロソフトの特許管理についてのショートレポートが掲載されました。知的財産と企業の競争力維持についてまとまっているので取り上げてみます。

議論の発端になっているのはマイクロソフトが取得したXML関連の技術特許をどう取り扱うかというところから始まっています。

Microsoftなどの各社は、別々のコンピューティングシステム間でデータをやり取りする手段として、構造化文書の作成やWebサービスの実現に使われる言語であるXMLなどの標準を取り入れている。XMLの基本的な記述は自由に公開され、誰でも利用できるが、XMLを活用したMicrosoftなどのソフトはそうはいかず、XMLデータの操作方法に関する特許の申請と取得が相次ぐ状況を招いている。
話はマイクロソフトに限った事ではないのですが、象徴的代表ケースとして例示されています。

マイクロソフトの抱える葛藤はこの一文に集約されます。

Microsoftのように「本質的にプロプライエタリな」企業にとって、「オープン化と自社技術の保護の間には常に葛藤がある」とオグレディ氏は語る。「その線引きは微妙だ。ある製品の存在感を高めるには、その製品や技術規格を積極的に利用する大規模なコミュニティーが必要だ。しかし、その一方では自社の利益も守りたい」
競争力の基本は(以前は、といっても厳密には情報産業においてはかなり以前ですが)技術の囲い込みと独占利用でした。どの産業に置いても自社独自の技術やノウハウを持っていることは分かりやすい差別化に繋がるためにまず考えられる手法です。

ところが、メインフレーム時代の全盛期の終了から更にはインターネット以降はオープン化する流れが強まっています。競争力を持たせる方法がクローズであることからオープン化しつつ上手く自社の競争力を埋め込むことに変化しつつあります。一つの規格を支えるユーザー層、技術者の厚さがその「系」の力を決定するために、囲い込むよりは開放して利用者数を増やすことが有効な戦略となります。

もちろん、この方法は収益源となる、差別性を失うことになるためにマイクロソフトのような「どこまでがラインなのか?」と悩むこととなります。

もう一つ、副次的な要素としては、機器とソフトウェア間の接続性がより問われています。モジュール化したアーキテクチャを安定的に運用するには、インターフェース仕様をかっちりと固めることに繋がりますが、個々のモジュールの進化の強い制約になるため、複数企業が共通アーキテクチャー上の同じモジュールを市場として争った場合は差別化のポイントが少なくなり、消耗戦に陥り易くなります。技術的にオープンアーキテクチャのメリットは重々承知しつつも収益性をミッションとせざると得ない公開企業では、オープン化は死活問題にもなりかねません。

・・・という長い前振りを踏まえての、「結局どこが競争力のポイントとなるのか」については後ほど。


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2004.02.05

米Yahoo、音楽配信に本格参入?

なんだか、音楽配信のことばかり書いている気がしますが、Yahooの動きについてまとまりのよい日本語記事があったのでついでに見てみます。記事CNET版はこちら(内容は変わらないようです)。

話の入り口はこちらから。

さらにYahoo!は、ダウンロードではなくストリーミングに依存する戦略を見直し、複数のオンライン音楽サービスに誘いをかけ始めている。例えば同社は、大手インターネット音楽サービスの1つであるMusicmatchと話をしており、これは買収交渉につながるかもしれないとこの件に詳しい筋は話している。
Yahooは元々ディレクトリから始まって広告収入を基本モデルとしていたため、サイトへの誘導率を高めるところが基本線となります。ストーリミングの重視していたのは、間違いなくサイトトラフィック重視の現れと言えます。

これまでの具体的な動きについてはこちら。

音楽ダウンロードへの参入は、Yahoo!にとってこれまでの音楽戦略からの転換となる。以前の戦略では、2001年に1200万ドルで買収した子会社Launchを介して、オーディオ・ビデオをストリーミングすることに力を入れていた。
それなりに予算も手間もかけてきていました。音楽配信全体の動きからすると、やや出遅れ感のするYahooですが、ハードを持たない事業構造できっちり収支が立つか怪しいところからも転換の意思決定に戸惑いがあったためでしょう。Appleもコンテンツからの収益は無いようなものだと明かしていますが、Yahooでも状況は同じで
Yahoo!幹部は、音楽部門責任者やLaunchの共同創設者デイブ・ゴールドバーグ氏も含め、以前は音楽ダウンロードは採算が合わないとして軽視してきた。音楽ストア運営企業は、レコード会社へのライセンス料、配信コスト、クレジットカード決済の手数料に売上を食われ、利益率がゼロに近いほど低いことを認めている。
市場のポジションを得ることが目標となっており、具体的な利益は現時点では求めていません。コンテンツ配信そのものから利益を上げることは業界全体の目標ですが、Yahooにとっては、上手く周辺に収益構造を作り上げられるかが短期目標になります。


それにしても、この記事ではYahooのテクノロジー企業の側面が出ていて面白いです。ブランドとサービス企業という印象が常に前面に出ていますが、独自のラボを持っていたりサーチテクノロジの代表的な企業を複数傘下に抱えていたりと表の印象とは裏腹に技術基盤もしっかりとしています。


本件と全然関係ない追記:
CNETからのログでドメイン調べたら「バックテクノロジーズ株式会社」とあってびっくりしたのですが、前身だったのですね。WAAGがいつの間にか統合されていたのも腑に落ちました。いやはや、不勉強です。

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2004.02.04

Appleに対する二つの相反する見方

昨日取り上げたAppleだが、CNET梅田氏のBlogでも紹介されているように、世の中で今何が起こりつつあるのか良く見える場所、「a great vantage point」のひとつであることは緩やかなコンセンサスになっているという。中心に向かえば向かうほど、熱狂という表現が似合う。

ふと思ったのだが、これはどこまでを範囲としてのコンセンサスなのだろうか?

Apple音楽配信についてはWhich Format Will Win? という記事がBusiness Weekにある。記事自体は乱立する音楽フォーマット規格についてコンパクトにまとめたものとなっているが、CDで成立しているオープンスタンダードと比較すると、ユーザーにとって十分使いやすい状態とは言えない。もちろん、著作権とコピーの問題から現状の仕様が来ていることはある。しかし、ユーザー側からするとそんなことは関係ないことでもある。使いにくいものは使いにくいという声が上がるのは当然のことだろう。また競争状況からして、絶対的なポジションを得ている状態ではない。

Appleのサービスのみを純粋に利用しているユーザーは、特に根っからのAppleファンはiPodとiTuneに対して非常に評価が高い。また、Windows対応を始めたことでより広いユーザーにアプローチ出来て来ていることも確かではある。

しかし、状況はまだ流動的である。同じくBusiness WeekのShow Time! という記事を見ると

"It doesn't take a genius to see what comes next: lower prices for consumers and lower market share for Apple,"
"Steve Jobs is right back to the Mac model."
ロープライスに勝るものはない、Appleはじきにマッキントッシュと同じく限定的な市場を押さえるニッチプレイヤーに戻るのだ、と手厳しい。

株価を見てもiTune以降に爆発的に伸びているという状態ではない。これくらいの伸び率であれば、景気回復期待とハイテク業界の緩やかな復活で十分説明出来る。

結局、現時点でAppleに対しての評価は業界内のウォッチャーとAppleファンを中心としてしまっている段階だと言える。特にInvesterはまだ冷ややかである。この輪がこれからどこまで広げられるのかがAppleにとっての勝負どころと言える。

もちろん、外部の人間からでははっきりと見えていない確かな未来をAppleは掴みつつある可能性はある。しかし、世の中にとってのコンセンサスとなるにはもうちょっと時間が必要ということだろう。

追記:
とか書いているとYahooも本格参入する気配が。ハードは持っていないものの、ブランドとリーチは随一なので、面白い展開になりそうです。


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2004.02.03

AppleのiPodに見るDRM戦略論

ソフトウェア、情報産業の競争資産の一形態としてデータフォーマットがある。エクセルやPDFなどは特定のアプリケーションでしか使えないため(オープンオフィスなどの議論は話がややこしくなるので今回は割愛)、世の中のデータシェアにより、いわゆるネットワーク効果のメカニズムも加わってアプリの利便性は増大する。個々の企業の経済活動を通貨が支えているように(通貨は、国別の法人登記を基本の縛りとしつつも、オープンな運用を行われているデータフォーマットである)、アプリはデータに支えられている。

このデータフォーマット競争の一パターンとして、DRM(電子著作権管理機能)がスポットライトを浴び始めている。大きなトリガーとなったのは、言うまでもなくiPodiTuneの組み合わせ。iPodに落とした楽曲は他のプレイヤーでは聴けない。Apple独自のDRM規格によりコンテンツが管理されており、他のプレイヤーと互換性を持っていないからである。そして見事に、Appleはユーザーを自社のプロダクトにロックインすることに成功している。現在、AppleはHPにのみ利用ライセンスを与えているため、iTuneを中心とした音楽データの経済圏には二社のみが含まれていることとなる。

アップルと来ると対するマイクロソフト--という構図は最近あまり聴かなくなってきた気がするが--のメディアプレイヤーに組み込まれているDRM規格は広くライセンシングされている。今回二社を比較すると、マイクロソフトの方がオープンなプラットフォームとなっている。

今後に予測されるラフシナリオは
・楽曲の品揃えや先行者利得では何歩も先を行っているiTuneが
 適度に逃げ切る
 →コンテンツの囲い込みが強く働き、コンテンツこそが勝負の
  ポイントとなった場合のシナリオ
・βvsVHSが蘇るかのごとくMSが規格の普及度で押し切る
 →iPodはいい機器だけれども他のも使いたい、などとコンテンツの
  流通し易さに焦点が移った場合のメインシナリオ
もっとも、どちらの展開でもDRMの普及のさせ方やコンテンツ管理の柔軟さがサブ変数になるので、サブシナリオは幾つか考えられる。しかし、基本はコンテンツ利用契約から管理技術、ハードの使い勝手も含めた全体アーキテクチャの総合力比較だろう。収益力については、内部コストやコンテンツの仕入れ分が等しいと過程すると、経済圏の大きさに左右される。ひさしぶりに大きなデファクトを巡る展開に。

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2004.01.31

ピクサー、ディズニーと提携解消

最近、Intelectual Capital(=知的資本)絡みの話をあまり扱っていなかったところで、ディズニーとピクサーの提携解消のニュースが入ってきた。ダウジョーンズの速報とNYtimesのPixar Sees End to Its Disney Partnershipをベースにあれこれと。

まず、両社のコンテンツへの権利の持ち方は

ピクサーとディズニーとの既存協定では、両社は興行およびライセンス収入を共有する一方、「トーイ・ストーリー」、「モンスターズ・インク」などヒット作の続編版を制作する権利はディズニー側にあった。
Under their current arrangement, Disney distributes all of Pixar's films in exchange for 12.5 percent of the box-office revenue, and the two companies split the profits. In addition, Disney owns the rights to all movies made by Pixar, which lacks its own distribution arm. As part of that deal, Disney will distribute Pixar's two coming films "The Incredibles," scheduled to be released later this year, and "Cars," due out next year.
というところでピクサーが制作、ディズニーが配給とマーケティングという役割分担で来ている。

交渉のポイントとなったのは

how long Disney would hold the rights to future movies produced by Pixar, whether Pixar would have the rights to any sequels to movies made previously with Disney and which company would retain television rights for Pixar movies under a new deal. Mr. Jobs wanted to own all future movies outright and wanted a stake in past films, too.
Robert A. Iger, the president of Disney, said that Pixar's latest offer would have cost Disney hundreds of millions of dollars
コンテンツの権利をどちらがどのような形で押さえるかと伴ってのプロフィットシェアの二点。コンテンツ産業なため、究極的にはこのどちらかしか交渉ポイントとならないため(映像表現やCG技術の所有権はたとえ保持していてもここでは俎上に載らないでしょう)、特に目新しいものではない。要するに将来キャッシュフローの配分方法を話し合っている訳である。


問題は競争資源がどこに依存していたかによる。まず、ピクサーのアニメCG技術は代替のかなり効きにくいところであることは争いのないところであろう。DreamWorksくらいだろうか? この前提に立つとディズニーのマーケティング能力が他社に対して優位性を持ててているかというところが勝負どころとなる。ピクサー側は

「多くの映画会社と協議した結果、われわれが望む条件はかなえることができるとの感触を得た。時間よりも正しい合意に達する方が重要だ」
というところで、代替が出来ると考えている。ディズニー側は当然逆のポジションなので割愛。確たる資料はないものの、配給部分は特にディズニーに優位性は無く、マーケティングでも企画段階の能力の有り無しが勝負どころだと考えられる。しかし、こればっかりは証明のしようがないため、ディズニー以降のピクサーの成功度合いで測るしかないかもしれない。

他、CDであればデリバリー部分の話になるが、映画だとデリバリーはCNET梅田氏のBlogと記事中で紹介されていたJupiter ResearchのBlogにあるように消費形態と流通方法がことなる。インターネット以前から、ウォークマンは大ヒットしているが携帯用のビデオ再生機が軽快に売れているという話は聞いたことが無い。DVD+HDDのレコーダーが普及し、映像が光ネットワークで配信されるようになったらどうなるかというTivo的な世界がどの程度成立するかというところだろう。


さて、マーケットは決裂ニュースをどう捉えたかというと

ディズニーの通常取引終値は、前日比78セント(3.30%)高の24.45ドル。時間外では23.24ドルに下げている。ピクサーの通常取引終値は1.05ドル(1.66%)高の64.20ドル。時間外では65.50ドルと一段高となっている。
ピクサーの勝ち。マネジメントチームもごたごたしていたりと、ディズニーは当面苦しい。

追記:
バロンズ誌はピクサー側不利との見方を示しています。

契約期間満了後は、ピクサーはディズニーに対し、競争が厳しさを増しつつあるアニメーション市場でライバルとして対峙(たいじ)しなければならないし、ピクサーの新しいパートナーは、家族向けエンターテインメント市場でディズニーほど強力な存在になり得るとは考えにくい、と指摘した。バロンズは、2006年に制作される次の映画は、制作費とマーケテイング費用のすべてをピクサーが負担する形になるだろうと予測した。
やはり、ポイントはマーケティングに帰着しそうです。

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2003.12.11

伸びる音楽ダウンロード市場

ロサンゼルスで開催されたコンテンツ配信ビジネスのカンファレンスMusic 2.0にて、iTunesを皮切りに盛り上がりを見せている音楽配信ビジネスについて取り上げられた。日本語のレポートはこちら

音楽業界は市場縮小のいい事例となっており、業界の基盤を脅かしているファイル共有サービス、そもそもの楽曲のデジタル化やコピー管理について激しい議論がこれまでも繰り広げられている。しかし、iTunesの華々しいスタートをきっかけに

音楽業界幹部は、こうしたサービスやデバイスがオンライン・オフラインでの音楽購入に対する消費者の関心をかき立て、ここ3年急落している業界の売上を伸ばしてくれると期待している
やや風向きが変わり、広範なコンテンツ供給への道が開きつつある。

問題はここから健全な収益があがり、ユーザーも気持ちよい音楽生活を送れるようになるかどうか。ヒントが幾つか出ている

オンラインでの購入パターンも浮かび上がってきており、新サービスの基本原則と思しきものも見えている。Appleのマーケティングディレクター、ピーター・ロウ氏によると、iTunesでダウンロードされた楽曲の45%が、シングルの形ではなくフルアルバムの一部として購入されたものだったという
iTunesの立ち上げから4カ月の間、同サービスの利用者は、普通のオフラインの消費者よりも楽曲購入数が多かったことが示された。iTunes利用者はこの期間、平均で49曲を購入(だいたい1カ月にアルバムを1枚買った計算になる)したのに対して、ティーンエイジャーは平均で2カ月に1枚CDを購入する
つまり、価格かデリバリーの良さか、マーケティング手法が変わったがゆえかは判然としないが、楽曲消費というところでは明らかな効果が見えつつある。CDビジネスに拘泥するよりも積極的に取り込んでいく方が得策ということになる。

また、

調査対象となった消費者は、それでも物理的なCDに進んで高い金額(10~12ドル)を払うと答えた
というところから、音楽業界はオンライン販売を含めて付加価値を分解した上で、チャネルごとのプライシング(の根拠)を見直した方が良さそうな感じがする。


さて、プレイヤーの方はJupiter Researchによると「今後3年間は年率50%で成長」するとのこと。

2006年にはMP3プレイヤーのユーザー数が「デジタル音楽の売り上げを加速するのに必要なクリティカルマスに達する」
音楽プレイヤー購入を検討中のコンシューマーのうち、半数以上-60%近く-がこのホリデーシーズン中にオンラインで購入するつもり
MP3プレイヤーは「このシーズンはDVDプレイヤーほどではない。しかし、携帯型音楽プレイヤーは、オンライン音楽ストアおよびサービスとのコンビネーションにより、強力なホリデーシーズンの組み合わせ商品になる」
「クリティカルマス」がどういう状態を指すのかはっきりしないものの、来年あたりから本格普及期に入ってくる見通し。


ハードとソフトが足並みを揃えた時の力は物凄い。業界構図を見事なまでに塗り替えたプレイステーションがよい例だ。


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2003.12.07

レッシグ教授来日メモ

ウェブログ@ことのはにて、レッシグ教授来日時のミーティングメモが公開されている。

こういうのがポコポコと探せるようになるとBlogは本当に使い易くなる。いい傾向。

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2003.11.20

音楽産業の未来像

梅田さん久々の同僚引用。音楽産業について

次なる音楽産業のモデルがどうなるかという精密な議論の前に一行がまず引っかかった。

 メジャーレーベルが採算ベースに乗ると判断する10万から20万枚の売上

これはその昔の日本車の攻勢を受けている米国自動車産業、最近だとサーバー市場におけるインテルチップ、スライウォツキー的に挙げるならバービー人形やスウォッチと同じ構図になるのではないだろうか。下位ブランドだからと侮っていると経済性の優位な参入者が下から上へと侵食していく。トヨタはレクサスを発売し、インテルはスーパーコンピュータの世界に手が届いている。

音楽配信等で流通構造が再構築されると、マーケティング部分くらいしかメジャーレーベルには残らない(アーティストの発掘はメジャーにはアドバンテージではなく、録音についてもコストをかけない方法は幾らもある)。ローエンド市場はこのままだと攻められっぱなしになる上、ローエンドである程度の経済性を得たプレイヤーはミドルへと這い上がってくるため、放置していると現在のメジャープレイヤーは着実に居場所が狭くなる。ローエンドとハイエンドが完全に切れていない産業ではちょっとした参入が致命傷となり得る。

配信ビジネスでの新規参入プレイヤーがテクノロジー産業側に多いように、これまでの動きにはハイテク産業の競争力学が透けて見える。著作権やアーティスト管理部分に勝負のポイントが移ると前面に出るプレイヤーは変わるだろうが、今のところ産業が綺麗にアンバンドルされて機能特化したプレイヤーが乱立するPC産業のような形態になった上で、複数レイヤーにまたがるハイブリッド型(テクノロジー産業とコンテンツ産業どちらにも足を置いている会社。アップルやソニーが近い)が幾つか伸びてくるというシナリオにリアリティを感じる。

考え出すと切りのないテーマなので一旦この辺にて。

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2003.11.17

デジタルコンテンツ市場予測(野村総研)

野村総研が2008年までのデジタルコンテンツ市場予測を発表した。

レポートを見ながらなんだか懐かしい感じがしたのは、2000年前後のEC市場の展開予測を思い出したからだろうか。バラ色の未来予測は、資本市場のバブルの崩壊、その後の着実な浸透という一筋縄ではいかない展開を見せた。伸びつつあるコンテンツ市場はどのような動きを見せるのか。

大きなポイントを拾うと
 ・市場全体で年平均25.1%
 ・モバイルコンテンツに加え、映像配信が浮上する
市場全体の動きもあるが、後者の方が面白い。受信側のプラットホーム、利用形態に変化が出ることとなるからだ。需要のポイントが変わる。

非モバイルでの成長分野の筆頭は
 オンライン音楽配信: 125.6%
 映像配信: 110.8%
この二つ。ただし、市場規模は現時点で8割を占めているモバイルコンテンツには及ばない程度に収まる。

オンラインの音楽配信の落としどころは、
 PC経由でポータブルMP3プレイヤー
 ホームネットワークサーバー経由で、オーディオ及びポータブルMP3プレイヤー
の2系統が読める。前者と後者のどちらが覇権を取るかは今のところクリアには決まっておらず、また日米の市場を比較するだけでも機器の進化パターンが異なっているためどう決まるかは確定的ではない。

映像配信は最終的にどこで再生されるかがまず勝負どころだろう。今のところ、映像再生は圧倒的にプラズマを含めたテレビが強いので、こっちが優勢に見えるが、いかんせんネットワーク対応が遅れている。NECが発表したPC用のテレビ視聴ボードやテレビの代替をアピールしているソニーのバイオのようにPC側が急進してシェアを取るというシナリオも無くはない(小さそうだが)。

プラットホーム側に目を向けると
 電子認証: 94.3%
 DRM(デジタル利用権管理): 59.3%
 課金・決済: 33.1%
と王道部分が順当な伸びを見せている。決済系の伸びが弱いのはコマースやISPなどで既にある程度普及しているからだろうか?

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2003.10.28

amazon立ち読みに突っ込み

さて、米作家団体から早速反発が。

ファイル共有で音楽業界が示している反応と全く同じなので繰り返し感が漂うニュース。デジタルコンテンツの著作権についてはまだまだこんな感じの議論が続くでしょう。

主張の中で最も響くのはこの一点。

料理本や、辞書などの参考図書のように、書籍のタイプによってはAmazonの検索ツールの所為で売上が落ち込む恐れがある
そもそもこの手のレファレンス系の資料はAmazonのサービス以前にウェブそのものに存在意義を問われているが、主張としては正しい。

また、これも当然起きるでしょう。

学生は、やる気になれば、教科書を何百ページもプリントアウトするだろう、と同団体は警告している
ナップスターで実証済み。

さて、先日触れた著作権についてだがやはり完全にクリアではなかったようだ。

Authors Guildでは、出版社がこのサービスに書籍を載せるには、著者の同意が必要だと主張
代表的出版社との話はついた、という段階と見える。

現状のコンテンツ管理技術では、同意しない著者の書籍は検索対象から外すという設定しか出来ないだろう。せっかく面白い試みなので、尻すぼみにならないことを願う。

※余談。
日本のメディアのコンテンツ流通を行う場合、記事内容と著作権のコントロールを確保することを求められる。売り物としての記事が勝手に一人歩きすると、記事内容の訂正があったりすると(修正は度々発生する)、対応出来なくなるので、データそのものを売り渡すことには首を縦に振らないことが多い。特に大手新聞社はこの点について非常にセンシティブな対応を取っている。
書籍だと内容修正はそう入ることはないため、上記の問題は気にしなくてもいいとは思うが、著作権はまだクリアされていない。ここでも触れられているように大手を振って事業展開するには大事なポイントがまだ埋まっていないというのが感想である。

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