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2004.04.09

コンテンツ・エクスプロージョン

久しぶりにEsther Dysonより。時々社会論的なテーマを扱いたくなるので、必然登場回数も自然多めに。カテゴリ設定の「social」は三分の一くらいエスター関連のエントリのためにあるようなものかもしれない。

エスターは出張先のロンドンetcで自身のBlogに画像付きのエントリを何度か上げていた。new! improved! now with pictures! と、短いタイトルに感嘆符が三つも入っているところから楽しげな様子が伝わってくる。モバイルでの写真撮影と撮影後のショットのアップ作業(いわゆる、モブログ)はあまり行っていなかったようで、数日の体験を整理するような形で、再考した記事がNew York Timesに掲載されている。Mirror of Our Livesがそうである。


個人レベルの情報発信によって、様々なパワーシフトが起きることになるという議論は随分前からされている。マーケティングは消費者主導になり、事によっては製品開発にもユーザーが加わる。

the rise of user-generated content marks a huge shift in the media business.
旧来のメディアの文脈で言うと素人に当たる個人の出しているマガジンが購読者を集め、個人のBlogに大量の人が押し寄せて時に強い影響力を持つ。あちこちで繰り返されている議論である。

エスターはニューズレターやBlogは随分前から使いこなしているが、最近始めたモバイルカメラについてはこのように評している。

Cell phones with cameras are a key factor in making this possible: They're lightweight and easy to carry around, and the quality of their photos is improving rapidly.
どこへでも気楽に持っていける携帯電話は進化するに従ってあらゆる機能を含んでいくようになるというシナリオは日本でもリアルに語られている。時計やちょっとしたメモから始まり、住所録が続き、いまや財布からチケットから個人認証までをカバーしようとしている。しかも、肌身離さず持っているためにユーザー個人での利用シェアは高まり易い。これでネットワークに繋がると、膨大なイメージデータがオンラインに流れ込んで来る事となる。

ダウンロードから

there's lots of communication capacity to download content but not much to upload it.
アップロードへと
People aren't just downloading music; they're uploading their own creative efforts.
シフトが起きる。


このシフトによってビジネスの世界で起きる変化はプラットホーム化だと言う。

The trick for businesses is not to compete with user-generated content, but to co-opt it, by becoming the platform where users can post their content and invite their friends to see it.
コンテンツ勝負をするのではなく、使い勝手のいいコミュニケーションインフラを提供することが鍵だと。

プレイヤーの具体例として挙げられているのは、Ofoto、Fotologなどシェアリングサービスの企業や写真のアップ機能を持ったBlogサービス。いずれも単なるアーカイブではなく、公開してコミュニケーションすることを前提に設計されているサービスになる。日本でもソニーがイメージステーションを梃入れしようと動いているように、最も注目されている分野かもしれない。

フォトサービスは他と比べてメリットが幾つかある。

Photos are what make those sites feel like real communities, and they are an endlessly compelling medium, even when they depict people you don't know and will never meet face to face. (It worked for People magazine, too.) It takes talent to create good music or to write well, but almost anyone can take a photo that others will want to look at.
参入が低く、伝わるものが多く、人を選ばない。誰でも出来て、メリットが分かりやすいものは自然と普及する。他に加えるのであれば、映像や音声と異なり、利用者に時間の拘束が少ないことも一つだろうか。回線が高速化しても音声や映像は単位時間内の情報圧縮があまり出来ないので急に普及することはないだろうと考えている。

いまのところ、フォトサービスは専門業者と大手が簡単な形として提供している段階であり、津々浦々隅々まで普及して日常の風景となりきっているわけではない。メジャープレイヤーが入ってくるのはこれからとなる。

AOL, Yahoo! and probably Google (spreading out from its Orkut social network platform) are all vying to support the online neighborhoods of choice. This is a market that will consolidate, and the independent companies I mentioned above may soon be snapped up by the giants.
特に、ソーシャルネットやBlogの持っているコミュニケーション機能との組み合わせには大きな可能性を感じる。見せたい人にだけ見せるという機能は今欠けているものが多いため(専門のフォトサービスには実装されていることもあるが、パス管理やグループ管理が面倒なときがある)、例えば先日エントリしたTypeKeyのような認証機能でコンテンツ参照を管理出来ていくと、生活の中に溶け込み易い。個人対メディアというような大上段の議論は脇に置くとして、こうして気楽に日常のコミュニケーションを行えるようになるのはちょっと幸せなことかもしれない。

ビジネスとして考えると最後引っかかるのは一点。

Aside from communication, this is a whole new source of competition for consumers' attention.
時間は有限であることがこれまで以上に問われていくだろう。この問題とも繋がっていく。

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Thinクライアントといい、個人主体の情報発信といい、インターネット普及当初に理論的に語られていたことが最近になって本格普及し始めているケースが多くなってきた。後世、21世紀の初頭がどのような時代だったかを振り返る時、コンテンツ爆発の開始と定義されるのかもしれない。

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