Officeを中核にWebサービスに手を伸ばすマイクロソフト
マイクロソフトがOfficeを中核としてXML/Webサービスを統合する動きを着実に推し進めている。eBayのWebサービスをOfficeソフト経由で利用する基盤を作ったというのが今回の発表内容となる。
FrontPage 2003で実装されるのはこういった機能。
eBay社のXMLベースのAPIを利用して,オンライン・マーケットプレイスで販売する製品の情報をカスタマイズしたり,商品一覧を表示させることができる。分類,フィルタリング,グループ分けなどの機能によって,任意のデータだけを表示することも可能。また,過去24時間以内に出品した商品に「New!」アイコンなどを表示できる。サイトのコンテンツとしてeBayのデータを取り出せる機能を提供していて、AmazonのAWSをベースに開発されている各種の専用パッケージなどと基本は変わらない。
Excel 2003で提供されるのはこのような機能。
XMLベースのAPIによって,リスト表示,グラフ,チャートのカスタマイズが可能。また,オンラインおよびオフラインで大量商品の分類ができるほか,XML形式で保存したExcelデータをeBay社のリスティング・サーバーにアップロードできる。さらに,取り引き履歴の作成や請求書の管理も行える。eBayを個人的にどっぷりと使いこなしたい人は、こちらの方が嬉しいのではないだろうか?エクセルであれば使い慣れている人は世の中にごろごろいることだろう。
自社のWebサービス普及にSDKを提供している企業はあるが、ある意味Excelは最強のSDKだと言って良い。世の中のあらゆるWebサービスを吸収出来るのであれば、Officeシリーズはアプリケーションとしての価値を一段も二段も高める。Officeはローカルのファイルとウェブ経由で得たデータをシームレスに繋げて取り扱うことの出来る機能を提供する。Googleを個人のエージェント的に働く全てのウェブのフロントの入り口と定義するなら、Officeも同じく全てのWebサービスの入り口としてエージェントのような役割を果たせる。サーチ技術投資やLonghornの開発方針とあわせ見ると、ローカルとネットを繋げ、ローカルの側にぐいっと力点をシフトさせようという狙いが窺える。
以前も指摘した記憶があるが、MSはOfficeを中心に自社プロダクトの位置づけを再整理している。システム部門はともかくとして、ユーザー視点で見るとSharePointはOfficeの拡張オプションと言える。ひとりひとりにコンピューティングを、個人にパワーをというホワイトカラーの生産性向上のビジョンは今も衰えていない。ブラウザの枠を越えて、ローカルPCに舞台を拡張する戦略では今しばらくマイクロソフトの独壇場だろう。
NeonsWiredSymphonyではこのように評価されている。
AmazonやGoogleなどいわゆるネット専業型企業の強みは、Webサービスインターフェースの内側で保持する「すぐには集められない大量のデータとその加工」(ユーザー嗜好に応じた本の情報やランク付け検索インデックス)にあり、逆を言えばそれだけが優位性を保つためのアセットです。そのアセットを部分的とは言えWebサービスで公開されているわけですから、Webサービスクライアントを書ける人たちからすれば喜ばしいことです。しかし、サービス提供者は自らのアセットを切り売りしていることにもなるわけですから、そのサービスの使われ方を常に把握していかないと、いつの間にか「庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる」という事態に発展する危険性があると思います。競争の構図はブラウザを前提として、その先のサイト設計やデータレベルで行われているというのが、ここしばらくの基本認識だったと言える。マイクロソフトはこのブラウザに対して別のチャネルを提供し始めてると同時にアプリケーションロックインを仕掛けている。それにしても、「庇(ひさし)を貸して母屋(おもや)を取られる」という表現は絶妙です。データさえがっちり囲ってユーザーのフローがあれば、何経由で来ても良いために必ずしもeBayやAmazonにとって悪いことばかりではないですが、展開は見ものです。
※とはいえ、前から分かっている方向性ではあるので、驚きの新情報ではない。
















Comments
Webサービスは現状言われていることを全ては満足できないでしょうが、数年以内に中心の技術になるのだと思います。MSの戦略は今一番強いOfficeとWebサービスの組合せなのでしょう。
MSは今は、もがいている感じがしますね。Webサービスは何とか戦略が見えますが、各国へのLinux対応やOSのオープン化など、何となくグレーですね。
気になるのが、日本MSでは社長が米国人になり、古川さんも帰国されているようです。またSunもIntelも米国人社長になりました。
米国系会社でよくある、現地社長を信用できなくなり、米国人を据えるという流れが見えます。この方法は殆どの会社が、送り込む米国人が今一で最終的に撤退という縮図になっています。MSなどは撤退はないでしょうが、全体的に日本への対応がおかしくなっているのか、日本人を信用していないように感じます。
余計な話でした。
Posted by: maida01 | 2004.03.03 at 06:05 PM
maida01さん
コメントありがとうございます。
本件、あまり新情報ではないのですが、見逃せない動きの一つというところで、memo的エントリでした。
MSは一年ちょっともがきっぱなしですよね。株価もうんともすんとも言わなくなって手放してしまいました。しかし、Intelと並び非常に力を貯めている気配を感じます。Office2003とLonghornがやはり鍵です。
あと、日本人社長という話ですが、マクドナルドでのひと騒動も象徴事例として見ています。違うMacの原田氏が就任となりましたが。ソトーの件に示されるように海外資本が日本に直接入る動きも強く、日本の会社の経営は変わらざるを得なくなってきています。
※ハイテク、ソフト産業はテクノロジードリブンではなくなっています。技術が死んだのでは当然ないのですが、一昔前ほどの技術決定論はすっかりなりを潜めてしまいました。
Posted by: SW | 2004.03.03 at 06:43 PM
Webサービスも日本ではどうなるか?
マックの話しは、藤田さんの神通力の衰退もあるのでしょうね。私が昔勤務していた会社が藤田さんの唯一の失敗だと思っていましたが、マックも同じ道をたどっているようです。ちなみに始めの失敗策は日本を撤退しました。
IT Doesn't Matterでも言われているように、オフショアなどはITが充分発達しコモディティ化してきた結果だと思っています。機器とかソフトと海外のSI/サービスは充分に発達してきているのに、日本のソフト産業だけが未熟なのでしょう。だから米国人社長などもやってくる。日本のIT業界もどうなっていくのか?自分で何か出来ないかと、私ももがいています。
Posted by: maida01 | 2004.03.03 at 10:40 PM