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2004.01.21

「ジレンマ」への道

イノベーションへの解」シリーズ。

前のエントリにて、

破壊的イノベーションにより主要プレイヤーが変わってしまった例は日本の方が少ないように思える。これは、資本市場からの圧力が少なく、投資効率と資産効率を高めることを至上命題とした経営がさして必要とされなかったため、「ジレンマ」が業界大手で発生しにくいということが一つ理由になるのではなかろうか。
と書いたが、明白な形で過去のものになりつつあるのではないかと思わせるニュースが飛び込んできました。

ソトーという東証2部上場の会社が海外から仕掛けられたTOB(敵対的買収)に対して、国内のベンチャーキャピタルと手を組んで非公開化を行うという。80年代アメリカのディールメーカー達のエピソードを思わせるかのようなニュース。日本でも経営陣によるMBOの話はちょくちょく耳にするようになり、新生銀行、シーガイア、日本テレコムなど大型の買収案件の話も結構普通のニュースとして紹介されるようになってきています。

銀行経由でない、ダイナミックな資本の論理が日本でも物を言い始めています。

本案件についてはこのように説明されています。

おそらく、ソトーはある程度の事業リストラ(不採算事業や戦略的に重要ではない事業からの撤退)と財務リストラ(不必要な内部留保の配当)を実施することになるでしょう。その上で、再上場か第3者への売却を目指すことになると思います(そうでないと投資家はキャピタルゲインを獲得できません)。
と、Investerサイドからするとごくごく当たり前のこと、というか公開企業であれば、本来はやっておくべきものへの対応が強く要求されることに。銀行以外の外部の投資家に、適切な経営を行っており、資本を効率的に事業投下していることを随時示していくことが企業の経営陣に要求されてくることとなります。

つまり、成長要求と資本効率のプレッシャーが強くかかるとなれば、そこは「イノベーションのジレンマ」ということに。

追記:
ソトーの件の続報が出たそうです。すっかり空中戦ですな。

更に追記:
ファイナンスBlogではないので、新しいエントリは控えます。引き続き経営・会計通信の該当エントリより。

やはり引き上げですね。NIFベンチャーズのプレスリリースによると、正確には1470円に220円引き上げています。これだとPBRは約0.9倍です。場中にquickが流れたにもかかわらず、今日の終値は1435円ですから、ここらで決着するかもしれません。これ以上の額を提示すると、益が稼げる可能性が下がりますから、純粋な投資ファンドであるスティールには辛い線かもしれません。
もう完全にあっちの世界へ。訴訟もそうですが、日本ではそう見られない話なので、新鮮です。

※krpさんコメントありがとうございました。

更に更に追記:
Niftyで始まった木村剛氏のBlogでの詳細な解説エントリ
このあたりのコメントは

上場という行為は「買収してもいいよ」という対外的な宣言を意味するのであり、「上場益は自分の懐にほしいけれど、経営権は渡さないよ」という経営者のエゴが許されない厳しい世界なのだ。
「自分以外は誰も守ってくれない」というのが、市場原理の大原則である。そうなれば、個々の企業は、自ら敵対的買収への防衛策を構築しなければならない。経営陣が買収からわが身を護る方法はひとつしかない。それは、買収側が断念せざるを得ないような高い株価を維持するということだ。そうなっていけば、わが国の株式市場においても市場原理が貫徹するようになっていく――経営者は心したほうが良い。
投資家としての感覚からすると当たり前の話ではある。80年代米国のようなM&A合戦が正しい姿か、短期に寄りがちな株価ばかり見た経営が本当にいいことなのかは別途議論の余地があるが、とりあえず企業行動は米国型に近づいていくことが世の中全体に受け入れられつつあることとなる。この変化で一番あおりを受けるのは、投資家便益を上手く受けることの出来ない従業員になるのかもしれない。

あと、非公開化を選択するなど資本戦略への影響はあるのだろうか。公開しない選択のエピソードとしてはグロービスのものを印象的に覚えているが、同じような議論が各企業で増えてくるのかもしれない。

※真面目な本筋とは全然関係ないが、小鳥とのやりとりの件はすさまじく笑えた。

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Comments

このソトーのMBOは、とても特筆すべきもの。サントリーとかSASのような意図的に株式を公開しない企業は別として、公開企業であれば資本の論理が徹底されてしかるべきであるとワタシも考えます。このケースが、資本市場にもっとドライなかつダイナミックな資本の論理が徹底されるいいきっかけと思ってます。

公開企業は、公開することによって社会的信用、多様な資金調達へのアクセス、知名度の向上等のメリットを受けるわけですが、リスクにも同時に晒されることをもっと認識したほうがいいですね。

Posted by: mirey | 2004.01.21 at 10:19 PM

追記の通り、続報が出てかなり動いているようです。米国市場を見ているかのような思いが。しかし、株主はどっちに転んでも悪い話ではないという感じです。

Posted by: SW | 2004.01.28 at 10:13 PM

今日更に続報がでました。よろしければこちらでどうぞ。

Posted by: krp | 2004.02.05 at 05:09 PM

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