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2004.01.31

ピクサー、ディズニーと提携解消

最近、Intelectual Capital(=知的資本)絡みの話をあまり扱っていなかったところで、ディズニーとピクサーの提携解消のニュースが入ってきた。ダウジョーンズの速報とNYtimesのPixar Sees End to Its Disney Partnershipをベースにあれこれと。

まず、両社のコンテンツへの権利の持ち方は

ピクサーとディズニーとの既存協定では、両社は興行およびライセンス収入を共有する一方、「トーイ・ストーリー」、「モンスターズ・インク」などヒット作の続編版を制作する権利はディズニー側にあった。
Under their current arrangement, Disney distributes all of Pixar's films in exchange for 12.5 percent of the box-office revenue, and the two companies split the profits. In addition, Disney owns the rights to all movies made by Pixar, which lacks its own distribution arm. As part of that deal, Disney will distribute Pixar's two coming films "The Incredibles," scheduled to be released later this year, and "Cars," due out next year.
というところでピクサーが制作、ディズニーが配給とマーケティングという役割分担で来ている。

交渉のポイントとなったのは

how long Disney would hold the rights to future movies produced by Pixar, whether Pixar would have the rights to any sequels to movies made previously with Disney and which company would retain television rights for Pixar movies under a new deal. Mr. Jobs wanted to own all future movies outright and wanted a stake in past films, too.
Robert A. Iger, the president of Disney, said that Pixar's latest offer would have cost Disney hundreds of millions of dollars
コンテンツの権利をどちらがどのような形で押さえるかと伴ってのプロフィットシェアの二点。コンテンツ産業なため、究極的にはこのどちらかしか交渉ポイントとならないため(映像表現やCG技術の所有権はたとえ保持していてもここでは俎上に載らないでしょう)、特に目新しいものではない。要するに将来キャッシュフローの配分方法を話し合っている訳である。


問題は競争資源がどこに依存していたかによる。まず、ピクサーのアニメCG技術は代替のかなり効きにくいところであることは争いのないところであろう。DreamWorksくらいだろうか? この前提に立つとディズニーのマーケティング能力が他社に対して優位性を持ててているかというところが勝負どころとなる。ピクサー側は

「多くの映画会社と協議した結果、われわれが望む条件はかなえることができるとの感触を得た。時間よりも正しい合意に達する方が重要だ」
というところで、代替が出来ると考えている。ディズニー側は当然逆のポジションなので割愛。確たる資料はないものの、配給部分は特にディズニーに優位性は無く、マーケティングでも企画段階の能力の有り無しが勝負どころだと考えられる。しかし、こればっかりは証明のしようがないため、ディズニー以降のピクサーの成功度合いで測るしかないかもしれない。

他、CDであればデリバリー部分の話になるが、映画だとデリバリーはCNET梅田氏のBlogと記事中で紹介されていたJupiter ResearchのBlogにあるように消費形態と流通方法がことなる。インターネット以前から、ウォークマンは大ヒットしているが携帯用のビデオ再生機が軽快に売れているという話は聞いたことが無い。DVD+HDDのレコーダーが普及し、映像が光ネットワークで配信されるようになったらどうなるかというTivo的な世界がどの程度成立するかというところだろう。


さて、マーケットは決裂ニュースをどう捉えたかというと

ディズニーの通常取引終値は、前日比78セント(3.30%)高の24.45ドル。時間外では23.24ドルに下げている。ピクサーの通常取引終値は1.05ドル(1.66%)高の64.20ドル。時間外では65.50ドルと一段高となっている。
ピクサーの勝ち。マネジメントチームもごたごたしていたりと、ディズニーは当面苦しい。

追記:
バロンズ誌はピクサー側不利との見方を示しています。

契約期間満了後は、ピクサーはディズニーに対し、競争が厳しさを増しつつあるアニメーション市場でライバルとして対峙(たいじ)しなければならないし、ピクサーの新しいパートナーは、家族向けエンターテインメント市場でディズニーほど強力な存在になり得るとは考えにくい、と指摘した。バロンズは、2006年に制作される次の映画は、制作費とマーケテイング費用のすべてをピクサーが負担する形になるだろうと予測した。
やはり、ポイントはマーケティングに帰着しそうです。

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