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2003.12.26

クリステンセン読書中:兼 簡易リンク集

クリステンセンの新著、「イノベーションへの解」にようやく目を通している。海外blogでの大読書会も開かれていたり、そこかしこでの下馬評通り、非常に示唆に富んでいる。

前作「イノベーションのジレンマ」で解き明かされたのは、優良企業が個別の正しい意思決定を積み重ねるがゆえに新興企業に市場を侵食され、破滅への道を歩んでしまうというまさしくジレンマが必然的に起こるというメカニズムである。ビジネスモデルのアーキテクチャー変更が産業のどこかで起きるとき、当該産業は主要プレイヤーが入れ替わり世代交代が起こる。しかも、技術体系が大きく変わる潮目ではこの転換はほぼ不可避であり、既存企業は生き残るにしても自らを再構築して実質的に生まれ変わらなければならない。

パラダイムの転換点において、産業構造はどのような力学でどう変わるのかについての基本理論をクリステンセンは提示し続けている。


前作は、メカニズムの提示が主議論であり、どう対策を打つのか、どのようにストラテジーに組み込んでいくのかについては手薄なところがあった。足りなかったピースを埋め、潮目の変わる基本技術の変化点で企業はどのように行動すれば良いのかを戦略論、組織論的にツール化しているのが新著となる。二冊は上下の続き物のような感覚で捉えるとしっくりくる。


本書の射程をもう少し延ばし、「企業価値の断絶」のような個別企業ではなく、広い視点から組み替えてみると、メッセージは次のように変換出来る。
・技術蓄積による事業アーキテクチャの変更は必然的に起こる
・イノベーティブな企業の出現により旧来の企業群は置き換えられてゆき、新しいルールが適用される
・技術の蓄積はなにがしかどこかで行われるとなると上記の動きは歴史的必然となり、破壊と新しい成長はあらゆる産業に見られる基本原理と言える
つまり、代替技術も含めて長めのスパンで考えると、産業はなにがしか変化し、成長のポイントを探して資本も人も次々にシフトしていくことが本質だとまとめられる。

本書を読むべき人は誰かと問われると、産業の血の提供側であり、企業内部ではなく、資本市場での資源配分の担い手である投資家をあえて挙げたい。


◆「イノベーションへの解」コメントリンク集
 (リストにないものをご存知の方は是非お知らせ下さい)
・FPNでの「FPNコンセプト : クリステンセン『イノベーションへの解』(読み始め)
・FPNでの「今年のベストビジネス書 『イノベーションへの解』
・Sotto Voceでの「The Innovator's Solution
・梅田望夫・英語で読むITトレンドでの「グーグルとデルとウォルマートの共通点
・///Ozaking///知識人の周縁///にて「■読書の秋(すでに冬・・・?)
・passageblogでの「『イノベーションへの解』(クレイトン・クリステンセン、 マイケル・レイナー・翔泳社)」 

◆ついで:「イノベーションのジレンマ」リンク集の主なところ
・江島健太郎の千里眼での「サーバにイノベーションのジレンマは起きているか(5)
・hitoLogでの「イノベーションのジレンマ
・m&t Consultingでの「再考:『イノベーションのジレンマ』
・FPNでの「新製品・新事業開発・マーケ : 『イノベーションのジレンマ』~新規事業企画のための必読書
・アークランプでの「ソフトウェアのイノベーションは、どこから起こるのか
・MOT学習室での「MOT Review

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