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2003.11.20

「チップ化」する銀行

日経金融に銀行業界で進む、ICチップを利用した多機能カードをベースにしたサービス開発の現状レポートがあった。

まずは三井住友銀行から。
・預金口座開設者へのローンのクロスセリング申し込み手続きの煩雑さがネックとなっていた
・クレジットカードやローンカードとキャッシュカードを一体化させた新型口座を開発
クレジットカードとキャッシュカードの一体型は「ワンダーカード」として既に商品化されているが、更にキャッシングやモバイル、ウェブからのアクセスも統合させ「One's Style」というパッケージにまとめている。商品をパッケージ化させ、ユーザービリティを高めることで総合力を高める王道の打ち手と言えるが、20代、30代の囲い込みを狙っていることが面白い。


次に東京三菱銀行を。
・預金口座から一定額をカードに落として電子マネー化する
・クレジットなど複数の決済に対応
・本人確認には、指紋を採用
と決済系機能を強化する。三井住友との比較で見ると、キャッシング複合型として既に出している「マイカード」とどのように統合されていくのだろうか。

その他都銀も様々手を打っているが、一つ共通しているのはユーザービリティの向上と電子化への対応と言える。銀行間競争で読み解くのは当然として、ここでは潜在的な競争者としてDocomoなどの新規プレイヤーと比較して考えたい。「FeliCa」のプラットホームがこのまま進化すると、財布代わりに携帯を持ち歩くという事態に発展し、ショッピングサイトがGoogleにフロントを全て取られる脅威を感じている構図と同様となる。日常生活への携帯電話への溶け込みかたから考えると、ショッピングの際にレジで携帯を差し出すことへの抵抗はさほどないのではないか。最終的なインフラ部分や与信機能については銀行業界がこれからも当分は持ち続けるだろう。が、顧客の需要情報の多くを失ってしまうと、長期的にはポジションは弱まり、投資信託業界のようにファンクションごとに専門企業が組み合わさってサービス提要する産業モデルに移行する力がかかる。銀行業界として、そのような転換は望んでいないでしょう。

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