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2008年6月23日 (月)

FRB政策と米国金利動向(と経済動向)

少し前のになりますが、状況把握に必要なポイントが網羅されているので、バーナンキのメッセージを確認します。6月9日のものです。

FRBが最重視していると見られるのが、インフレと景気後退の二つのリスクバランスを取ること、そして、やや劣後して信用不安を引き起こさないこと。

 議長は「最近のエネルギー価格上昇がインフレとインフレ期待の上振れリスクを高めた」と指摘。「連邦公開市場委員会(FOMC)は、長期的なインフレ期待による浸食に強く抵抗する。これらの期待を抑制しなければ、成長とインフレが不安定化する」と述べた。

ここでひとつ気になるのが、為替レートについて牽制発言を行ったポールソンを支援して、同様のスタンスを示していることです。これ、原則からすると中央銀行として為替レートは責任範囲外なので、おかしな発言となります(周囲の解釈によっては中銀の手足を縛る可能性がある発言でもあります)。なぜ、為替レートに言及したのか。

解釈として幾つか各所から示されていますが、素直な読み方としては輸入インフレに手を打つというところから側面支援を行ったと見るのが素直でしょう。つまり、為替レートそのものを問題にしているのではなく、ドル安から発生する輸入商品高経由でのインフレ(つまり輸入インフレ)を問題としてという解釈です。

とはいえ、表面上は為替レートに手を出したように見えるのでリスクではありますが。

記事内容としてはこの辺が該当します。

 フィッシャー総裁は9日、CNBCとのインタビューで、ドル安がインフレ進行と成長減速という負の連鎖をもたらす可能性があると述べた。

記事中ではフィッシャー総裁の発言が引かれていますが。

というあたりも踏まえ、金利はなるべく基本上げない、というのがスタンスとして読めます。条件としては、【インフレと輸入インフレの総和のリスク>景気後退リスク】といった感じでしょうか。景気を一部沈めてでもインフレに対応しないといかん、という判断がされると手を打つと考えられます。

また、彼らの考えるベストシナリオは、
 ・ゆるゆると現状を維持
 ・下げた金利によりゆっくりと金融システムと景気動向が治癒
 ・マイルドになった景気により資源高が収まる
 ・少し先(年内から翌年頭くらい)に全体が健全化したところで少し金利を戻す
というものでしょう。

となると、ひとつ国内動向で鍵を握るのが住宅市場と住宅市場と未だ紐づいている信用不安ということになります。

景気、経済動向と住宅市場については

 ただ、「住宅市場の縮小とエネルギー価格の上昇が続いているため、成長に関するリスクは依然下向きだ」と指摘した。

というところで、この辺が周辺解釈では一番分かれているところになりますが、住宅市場が下げ止まっておらず、政府保証を追加でつけようかとの議論が出ていることなどからして長引く気配が出ています。この点、FRBのスタンスとしてはそう長くはならないと示されていますが、微妙なところでしょう。金融機関のリスク(べアからリーマンへ)も一部再燃していることもあり、再度ピリピリしている状況です。

今回のインフレの根源となる国際商品市場ですが、

 議長は商品価格の方向性を占うツールとしての先物市場とは距離を置く姿勢を示し、「先物市場は近年しばしば商品価格の上昇を過小に予測し、結果としてイ ンフレ率全体についても過小に予想してきた」と指摘。「価格予測に関する商品先物市場の芳しくない最近の実績は、政策担当者が引き続き同市場を情報源とし て利用すべきかどうかに疑問を投げ掛ける」と述べた。

という風にコメントしてます。先物市場への規制をどうするかは議論されており、なんらか手を打たれることでしょう。この発言は、方法論まで踏み込むことはしないものの制度再設計をするべきとの立場を表明したものと言えます。

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