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April 22, 2006

4月開催報告:SIビジネスの今後、あるいはSIer2.0

非常に抽象的なところまで行ってしまい、「一旦メディアはいいかな」となってしまった先々月、外をお借りして大規模イベントとなった先月から会場も戻り、テーマも実務の(泥臭い?)ところに戻りということで、現場の難しさを延々語り会う回となりました。

大きいところにちょっと偏りがあるとはいえ、
 ・SIer
 ・ソフトベンダー
 ・サービスベンダー(ネットの)
 ・コンサルファーム
 ・メディア
と関係しそうなところがあらかた(ユーザー側は割合からすると少ないですが)揃っての議論というとても良い布陣で進められました。いつもながら、ご参加のみなさまありがとうございます。

細かい業界固有の話は山ほどありますが、最近様々な議論でたどり着くのが、そもそものサービスを取引するようなしきたりが色んな業界で見られないこと。結局この国の基本は箱売りになってしまってるんじゃないかという議論は情報社会学序説でも強く語られているところです。予想通り、この切り口が出てきました。

OSSを取り入れるのも良い。ネットのサービスを取り入れるのも良い。内製化するのもアウトソースするのも良い。しかし、自分たちの欲しいものは何でどれくらいのコスト構造で維持されているのか。また提供する側もどれくらい説明力を持っているのか。根っこのコミュニケーション部分について解く方法があるのかというのが印象的な切り口でした。

他個別のお話はみなさんエントリされるんじゃないかと思いますので、簡単に。

なお、次回次々回ですが、NGNサービス、インテルが有力です。インフラ周りですね。

Today may be the last day of the rest of my life.「SIer2.0

議論のトピックとしては様々あがり、追ってCNETのブログでも報告があるかもしれないが、個人的には以下の2つのテーマについてもう少し議論を深められれば良かったな、という印象を抱いた。(今日はアジェンダ設定まで、ということで今後の議論に期待)

・オフショアへの開発アウトソーシングの中期的な方向性+SIerへの影響

・SIerが受けている様々なリスクを見越した人材育成+ナレッジマネジメント

まずは、議論の出発点に立つと言う意味で、有意義な機会を頂いた皆様に感謝。

膿出しくらいは出来たかなぁというところでした。範囲的には事前予想通りです。

・お仕事日誌&一日一麺「SI ビジネスでのわくわく感 - Emerging Technology 研究会に参加して

上記のような課題・リスクが列挙されるような現在のような環境だと、小さなタスクでも楽しみながら進めることができて、それが終わったときには実感を伴った達成感がないとやっぱりつらいなと。SI の領域って、ホントはそういうわくわく感・達成感が身近に感じられる分野だったはずなのにできなくなってるね、という感じがあったのですが、今日の皆さんの話で勇気付けられました。

うまく言えないのですが、「達成感設定」と「わくわく感対策」のスキームが変化しているにもかかわらず、SIer がついていけてないんだろうなという気がします。誤解されるかもしれませんが「モノを作るのが楽しいのです」というテーゼは万能ではないと。仕事の進め方にもっとバリエーションを持たせましょう、ということです。コーチングとか Mind Hack とかが最近注目を浴びてるのも、やり方を変えるための手法の一つなのでしょう。SI が人的リソースをベースにしたビジネス領域である以上、この分野での対策はたぶんとても重要なのです。

職人と根性にだけ依存してはいけない、ただし、行き着く先は単純なMBAや数値やロジックではなくヒューマンマネジメントであると。でもこれ、まともにプロジェクトマネジメントをやったら自然と分かることなんですよね。以下のarclamp.jpの鈴木さんのコメントも似たような現場感から出てきています(そう、こういう声を丁寧に掬って広げていくことが大事だと思えます)。

・arclamp.jp アークランプ「SIer2.0 @ET研

結局、プロジェクトがうまくいくかどうかは「どんなシステムをどう作るのか」という事が現実的であるかに掛かっています。上流で言えばステークホルダー間を調整したり、問題点を明確にしたり。開発現場であれば、良い方式設計を行い良いリソースを集める。

 しかし、こうしたシステム作りの環境を整えるという作業に対価が支払われません。上流であればプリ・セールスという言葉で片付けられ、現場では優秀な人物でも人月テーブルにはめ込まれる。

 「日本って物文化だからね」という事も大きいとは思いますが、SIer・クライアント双方とも、この問題にはまっすぐ向き合わなくてはいけないでしょう。

この文章を読むだけでも、現場で現実に向き合って仕事していることが分かります。取引のフレームとして向き合わなくてはならないところです。Web2.0的であるかどうかを思案しているなんて、この問題に比べたらたいした話ではないです。

・エンタープライズニュースの読み方「「Globalization 3.0」と「SI 2.0」 -- ET研に参加して

そして、きつい一言はSI関連のM&Aを手掛けているという方から。驚くことにというか、当然のこととしてというか、極論すればSIerのバリュエーションは社員数で決まると。そしてその成長は、社員数がどれだけ増やせるか、つまり採用計画で決まると。つまり、投資の観点からするとそのくらい評価の軸が見え難いビジネス形態であるということになる。
(中略)
先に指摘された通り、極論すればSIビジネスのバリュエーションが社員数で決まるということならば、これは完全にコモディティ化したビジネスであり、オフショアの洗礼を受けるのは間違いない。それは、オフショアに出すということではなくて、オフショアに取られるという形で実現すると見るべきである。

コメント欄でも書いたのですが、この辺のGlobalization1.0/2.0/3.0のフレームは情報社会学序説で提示されているものと同じですね。まとめたいと思います。

そして、ビジネスとして付加価値の定義づけがされてないこと、お客さんとのコミュニケーション基盤が業界として成立していないこと、つまりサービス取引のフレームが無いというところもSIに限らずあちこちで問題として突き当たるポイントです。不動産業や広告で法で定められて無い付加サービスがやり取りしている場面はどれくらいあるでしょうか?

・[4k]shikeの日記「4/22ET研

現場が見えないと見えない話も多いが、自分の仕事とも共通点が多くて面白かった。つまりは、ビジネスの問題はすべて値付けに関係すると。

プライシングの仕組みは重要。

・Web2.0時代の仕事術「SIerの明日はどっちだ?

④サービスの値段付けをどうするか?
システムについて相談事を持ちかけられ、無事お客様の悩みを解決したが
「作業」が発生しなかった場合・・・お金を頂いてません。
コンサルとして日々同じ悩みに直面しております。

・acha-yoh.blog「SIって何

・事業
1)インテグレートという価値
2)コンサル会社の買収は事業的な成功に結びつくのか
というわけで、費用の発生のさせ方をシフトしないといけない。情報システム“サービス”として、堂々とサービスレイヤーでお金を取らないといけない。しかし、いきなりスイッチはできない。これも緩やかにシフトしていく。エッジな企業の成功事例を作らないといけない。“サービス”のリソースはすでにある(と思う)。あとは、それを換算する技術とお客さまを納得させるロジックが必要。必要なのは「キラーPKG」じゃない。
サービス取引を行う商習慣基盤。

・Today may be the last day of the rest of my life.「SIer2.0

さすが、と思った一言。広告代理店が媒体枠で稼いで、本来は付加価値が高い「サービス」(コンサルティング的なマーケティング戦略)の部分は文字通りサービスとして無償に近い形でクライアントに提供しているという構図。業界横断的な根深いテーマかもなあ、と感じた。
ありがとうございます。mOm

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